土壌汚染のメカニズム

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土壌汚染の原因となるさまざまな有害物質
~物質に合った対処を~

さまざまな有害物質が土壌に入り込んで起こる土壌汚染。原因となる有害物質にはいくつかの種類があり、起こる問題も異なります。こちらでは東京・神奈川で土壌汚染調査・土壌汚染対策工事・建屋解体等を行うイズミ環境サービスが、土壌汚染のメカニズムや有害物質の種類、土壌汚染の特徴や問題をご紹介します。

土壌汚染のメカニズム

土壌汚染は、さまざまな有害物質が土壌に流出し、地下水に浸透して蓄積することで起こるものです。有害物質は主に工場や施設からの漏洩や、排水施設の破損・腐食などに伴う漏洩・地下浸透、廃棄物の埋め立てによって流出します。なお、工場などがない土地でも、自然由来の有害物質による汚染は考えられます。そのため土地の売買などを行う際には、土壌汚染調査を実施する方が増えています。

有害物質は土壌から地下水へと浸透し、地下水汚染を招く可能性があります。その結果、周辺環境や人体に影響をおよぼすため注意が必要です。

土壌汚染のメカニズム

第一種特定有害物質による土壌汚染

第一種特定有害物質とは常温常圧で容易に揮発する物質であり、「揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)」とも呼ばれています。頭文字をとって「VOC」と略されており、1970年代初頭から電機工場や半導体工場での洗浄剤、農薬などとして大量に使用されているものです。

土壌汚染対策法では、人の健康に被害を生ずるおそれが大きいものとして指定されている27種類の特定有害物質があり、そのうちの12種類が第一種特定有害物質として分類されています。

※表は左右にスクロールして確認することができます

物質名 主な用途
四塩化炭素 化学合成中間体、試験溶媒
1,2−ジクロロエタン 塩ビモノマー原料、金属部品洗浄剤
1,1−ジクロロエチレン 塩化ビニリデン原料
1,2−ジクロロエチレン トリクロロエチレンの分解生成物
1,3−ジクロロプロペン 農薬(土壌燻製剤、殺線虫剤)
ジクロロメタン 金属部品洗浄剤、抽出溶媒、ペイント剥離剤
テトラクロロエチレン 金属部品洗浄剤、ドライクリーニング溶剤
1,1,1−トリクロロエタン 金属部品洗浄剤、エアゾール
1,1,2−トリクロロエタン 溶剤、塩化ビニリデン原料
トリクロロエチレン 金属部品洗浄剤、溶媒、化学合成中間体
ベンゼン 化学合成原料・中間体、各種溶剤、染料、ガソリン
第一種特定有害物質の主な特徴

第一種特定有害物質の主な特徴

金属や機械部品の洗浄剤として多用されている第一種特定有害物質。微生物分解などによってほかの有害物質へ変化します。揮発性有機化合物を扱う工場などで、土壌汚染の原因になっていることが多い物質です。

「粘性が低く、比重が高い」という特徴があるため、土壌深部や地下水などに到達しやすく、長く土壌中に残留して汚染が広がっていき、広範囲で地下水汚染を起こす傾向が見られます。

第二種特定有害物質による土壌汚染

第二種特定有害物質とは、金属および土壌中での挙動が金属と類似した物質です。「砒素(ヒ素)」「六価クロム」「カドミウム」など、大きな公害を引き起こした物質が含まれているのが特徴。土壌汚染対策法で指定されている27種類の特定有害物質のうち、重金属などに該当する9種類が第二種特定有害物質として分類されています。

主に鉛、砒素、水銀、ほう素、ふっ素、カドミウム、セレン、六価クロムなど自然界に存在するものも多く、土壌汚染の原因が自然由来というケースもあります。そのため、入念な検査によって原因が人為的なものか自然由来なのかを判断することが必要です。

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物質名 主な用途
カドミウムおよびその化合物 鍍金(メッキ)、塗料、合金材料
六価クロム化合物 合金材料、皮なめし、塗料、鍍金、研磨剤
シアン化合物 鍍金、精錬、化学合成原料、浸炭剤
水銀およびその化合物 蛍光灯、温度計、電解、触媒
セレンおよびその化合物 整流器、半導体原料、窯業材料、顔料
鉛およびその化合物 電池、塗料、防錆剤、レンズ、窯業材料、金属製品
砒素およびその化合物 農薬・医薬品原料、木材防腐剤、半導体原料、ガラス
ふっ素およびその化合物 ガラス、精錬、電気工業材料
ほう素およびその化合物 ガラス、琺瑯(ホーロー)、鍍金、研磨剤、医薬品、防火剤
第二種特定有害物質の主な特徴

第二種特定有害物質の主な特徴

第二種特定有害物質は土壌に吸着しやすく浸透性が低いことから、比較的表層に近い場所で高濃度汚染を引き起こすのが特徴です。フッ素や六価クロムなど水に溶解しやすい物質もあるため地下水汚染のリスクもあります。十分注意しましょう。もちろん、土壌からの直接摂取によるリスクもあります。

第三種特定有害物質による土壌汚染

第三種特定有害物質は農薬をはじめとする比較的高分子量の有機化合物であり、製造禁止となったPCB(ポリ塩化ビフェニル)などを含みます。土壌汚染対策法で指定されている27種類の特定有害物質うち、農薬などに該当する5種類の物質が分類されています。

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物質名 主な用途
シマジン 農薬(除草剤)
チオベンカルプ 農薬(除草剤)
チウラム 農薬(殺虫剤)、ゴム添加剤
ポリ塩化ビフェニル(PCB) 絶縁油、熱媒体、複写紙
有機燐化合物 農薬(殺虫剤)
第三種特定有害物質の主な特徴

第三種特定有害物質の主な特徴

第三種特定有害物質は除草剤、殺虫剤として使用されていたことから農薬等に分類され、ポリ塩化ビフェニル(PCB)においてはトランスやコンデンサ等に多く使用されてきた工業用絶縁油が該当します。

特に、トランスやコンデンサ等で廃棄物になった物は PCB 廃棄物として特別な保管・処分をする必要があります。

油による土壌汚染

原料から燃料、機械を動かす潤滑油のほか、さまざまな分野で油は使われています。しかし、適切な処理ができなければ油膜や油臭を発生させる汚染物質となります。土壌汚染の原因としては、ガソリン・軽油、灯油や重油、機械油(潤滑油)などに分類されています。

油による土壌汚染問題の原因となる油は一種類とは限りません。さらに環境中で酸化・還元などを行い、性状が変化することもあります。

油の主な特徴

油の主な特徴

ガソリンや軽油などの比重の小さい油は、地下水面まで到達した後、それ以上浸透せずに地下水面付近へと拡散していくのが特徴です。一方、重油をはじめとする比重の大きい油は垂直方向への浸透が強く、帯水層より深くにある難透水層に沿って拡散していきます。

油含有土壌が存在する土地では、その周辺の土地を使用する人々に油膜や油臭による生活環境保全上での支障を生じさせるため、注意が必要です。

ダイオキシン類による土壌汚染

ダイオキシン類は、合成物質としてはもっとも毒性が強いと言われている物質です。焼却炉などの炭素、水素、酸素、塩素が熱される環境において副産物として合成される有機塩素化合物です。大気中の粒子などに付いて植物や土壌、川などに落ち、環境を汚染します。人体には、呼吸や食べ物を通じて入り込んでいきます。

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ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン 異性体数 75
毒性対象物質 7
ポリ塩化ジベンゾフラン 異性体数 135
毒性対象物質 1
コプラナーポリ塩化ビフェニル 異性体数 14
毒性対象物質 12
ダイオキシン類の特徴

ダイオキシン類の特徴

ダイオキシン類は土壌に吸着しやすく、水に溶けにくい性質が特徴です。焼却炉などの煤煙を介して浅い深度で高濃度汚染を引き起こすほか、焼却灰を埋め立てることにより深い深度での高濃度汚染が発生するケースもあります。

ダイオキシン類は、森林火災や火山活動などにより自然界で発生することも。毒性の強さは物質によって異なります。

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